ちりとてちん(2) ここ数日は「ちりとて」が頭の大部分を占めておりますので、本日は、ほかのテーマを取止め、先週に引き続き、ちりとてちんがテーマです。昨年の放送で師匠が高座に復帰した時の回でもかなり感動したものでしたが、先週はそれを上回りました。ほとんど小浜で魚屋食堂のC子(順子)と塗箸製作所のあほぼん(友春)が中心の話でしたが、おかあちゃんが関係者を集めた1/18(金)の放送がクライマックスでした。 順子のおなかの子について、草々を含めた和田家など三家族が話し合います。最初のころはみんな建前を言っていますが、次第に普段は家族でも話さないような、心の隅にあることまで本音で語り合うようになります。それぞれいつもの個性がにじみでていますが、それでも、二人と赤ちゃんのことを最優先で考えています。  順子は「私は…私は一人で平気や。結婚なんかせんでも一人で子供育てるでぇ。お母ちゃんの田舎行ってお祖母ちゃんとこお世話になって、この子を育てる。」と強がっていましたが、B子に諭されて、「ほやかて私、怖いんや…」と言いだし、ついに「友春さんと…子供と一緒に…魚屋食堂をやっていきたい。」と話ます。常にB子にアドバイスをして、いつも冷静だった順子ですが、実は「人の身体って温かい」という気持ちが生じてきて一生懸命なアホである友晴を好きになったものの、赤ちゃんの件では本心を隠して強がっているのをB子に悟られて、ようやく自分の気持ちを話すことができました。泣きながら話す順子ちゃん(宮嶋さん)は名演技でした。
喜代美は「順ちゃん、何でそんな嘘つくん。何でほんまのこと言わんの?友春さんのことが好きなんやて。」と言い、さらに「順ちゃん。人生は、これからや。ドーンと人生のど真ん中歩いて行ったらええねん。一生懸命なアホに、順ちゃんもなってよ。1番好きな人と…幸せになってよ…。」とアドバイスします。逃げるように大阪に出ていったころからずいぶん成長しましたね。前の日に「どうしたらいいかわからない、順ちゃん」と4回も言っていたように、順子のことを、たぶん草々よりも、本当に気にしていたことで、順子の強がりでのうそも見破ることができたし、自然と「一生懸命なアホ・・・」と言えたのですね。「一生懸命なアホ」がたぶんこのドラマの核心をつく言葉だと思います。(B子が草々にいさんには捨てんといてください。というなど相変わらずへたれでけどね。)  糸子かあさんは、「順子ちゃん。その出来ちゃった結婚言うの、やめなれ。そんなつもりやなかったのに出来てしもて…しゃーないから産むぅ〜みたいな言い方しなんな。お腹の子ぉが可哀想やな。」です。ここの違いをはっきり理解しているところは、切れているようでさすがB子の母ですね。
最後に、順子父(幸助)「ただし…条件がある…。」と言い出し、条件とはと固唾をのんでいると「喧嘩はすな…。仲よう暮らせ。」 平凡な言葉ですが、まわりの夫婦がみな夫婦喧嘩状態のなかで、これだけ問題となったこの二人に結婚を許すというこのシーンの締めには最もふさわしい、言葉だと思いました。 1/18(金)のシーンは1つだけで、ノーカットで一発収録だったようですが、見終わった日は終日、思い出しては嗚咽が止まりませんでした。このドラマは自営業の後継者問題が常に伏線となっていますが、私も学校卒業以来、故郷に帰って家業を継ぐことなく、永い年月異郷で暮らしてきましたが、この間に故郷とは縁遠くなってしまったままで、もうやり直せない遠い日々を思いました。
いつもながら、主人公だけでなく、ほかの登場人物やその家族まで血肉が通った脚本と演技で、これほど根を詰めて朝ドラをみたのはかの「ちゅらさん(1〜4)」以来です。 テーマ:ちりとてちん - ジャンル:テレビ・ラジオ
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