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ちりとてちん (1)

ちりとてちん

連日、1日10件以上という、これまでにない厖大なアクセスを頂き、びっくりしており、厚く御礼申し上げます。のだめ in ヨーロッパの記事ちりとてちん風の「まくら」を書いたことがきっかけか、あるいはムツばあさんか、解釈に悩んでおります。そこで本日のお題はその〔ちりとてちん〕です。

主役の貫地谷しほりさんは、映画「スウィングガールズ」で上野樹里さんや本仮屋ユイカさんなど、バンドの主力メンバーとして、トランペット隊のリーダーとして活躍していたころから知っていたので、この朝ドラは注目していました。(ちなみにスウィングガールズDVDプラミアムエディションの切り抜きフィルムは橋の下でトランペットを練習する貫地谷しほりさんでした。)

郷里で、同級生で同姓同名の優等生がいたせいで、自分から脇役になって影に隠れている後ろ向きのヒロインを演じる貫地谷さんも名演技ですが、まわりの人達の役どころも草若師匠はじめ、はまり役で名演技です。登場人物は、みんな決して立派に前向きに艱難辛苦に立ち向かうわけではありません。師匠などは落語はやめたと言って毎日酒を飲んでごろごろしています。兄弟弟子も家族を養うためなどで落語を捨て別々の生き方をしています。でも喜代美の働きで兄弟弟子が再び落語をしに帰ってきます。(このところは映画「少林サッカー」でかつての兄弟弟子がビルの屋上で集結するシーンと良く似ていて、オマージュかと思ってしまいました。)

ちりとてちん1 ちりとてちん2 ちりとてちん3

弟子のなかでも茂山宗彦さんが演じる徒然亭小草若は、親の師匠が6年前に高座をすっぼかして女のところに行ったせいで、母が病気で亡くなったと思い込んで父と永年対立しています。誤解が解けたあとは自分で高座に戻って弟子が全員そろうなかで寝床寄席を行いますが、父にもらった名前の話になって泣きだしてしまいまい、師匠が復帰するきっかけにになります。小草若はタレントとして活躍してきたにもかかわらずおごらず、喜代美が入門しても結婚しても「喜代美ちゃん」と呼びます。彼が何年もタレント活動で徒然亭の屋台骨を支え、また徒然亭の名を保ってきたのでしょうが、そんな素振りは見せません。
1/11の放送で草々に「芸もないのに落語家名乗ってタレントみたいなことしてる奴が落語の値打ちを下げる」と言われて、喜代美が「バラエティで名前売んのかて、落語の宣伝です。」と言ったのも、悩んでいた時に、テレビ局で小草若にアドバイスことが裏づけにあったからでしょう。(草々も自分が小草若に同じことを言ったのに忘れてしまったようですね。)
こんなエピソードから、クールなようで実は暖かい四草も好きですが、一番のお気に入りは小草若です。師匠も年の功か、粋なもので草々と喜代美が結婚して初めて二人がお互いに見えてきたことを、「あの壁取っ払って、二人の間に障害がのうなった思うたら、そら大間違い。あの壁がのうなって、見えへんかったもんまで見えてくる。ええことだけやのうて、悪いこともな。ええか、分からんようになったんとちゃうで。分かってへんのや最初から。お前も若狭も互いのことを。」と諭します。年季が入らないと言えない言葉ですな。

それに比べ草々は若いというか硬い。落語が最優先なのは判りますが、師匠のいうように「たかが落語」でもあるのが理解できない。また、おかみさんを若狭に求めるのは間違い。「他の人のようになってくれ」、それも会ったこともない亡くなった人のようになんて言うのは無理だし禁句です。頭が固いのは喜代美の父親も同じですね。喜代美「そんなこと、生活できるだけ稼いで来てから言うてください。」←当然。草々は上沼恵美子のナレーションが良くいう「まだ子供でんな」で人間的な幅が狭いのがもう一つと思っていましたが、これもたぶん後半への伏線でんな。

毎週、起承転結があり、週末の金土には、時には何ヶ月か前に丹念に仕込んだ伏線が顕在化して、クライマックスが訪れます。電車のなかでワンセグを録画して見ているので、思わずボロボロ泣いてしまい、周囲の人から不審がられています。まさに、伏線の月曜日、笑いの火曜日から仕込みの水曜日、シリアスな木曜日、泣きの金曜日、そして号泣の土曜日、渇望の日曜日(2chより)ですな。

正月明けは少し重かった。下記、朝日新聞記事と同感でこのまま好調をキープしてほしい。なんといっても脚本が全てにおいて完璧だと思います。

リンク
http://www.yakkunchi.com/review/asadora-chiritote.html
http://takeyama.jugem.cc/?eid=885

下記は朝日新聞の記事。先を越されてしまいましたがベタぼめです。

ちりとてちん
時計代わりにならぬ充実度(2008.01.09)

「時計代わりとも坪ばれる朝のNHK連続テレビ小説。今は「ちりとてちん」が放送中だ。視聴率的には前作などに比べ、あまり芳しくない。では、中身も芳しくないかといえば、まるで逆だろう。
お話は福井県出身のヒロイン(貫地谷しほり)が大阪に出てきて、落語家になるというもの。ここに盛り込まれたエピソードやせりふ(作 藤本有紀)が驚くほどきめ紬かいのだ。こうしたドラマ、ややもすると、登場人物や物事はヒロインとの関係だけで描かれがち。相関図にすると、すべて主人公に集まって放射状になる。だが「ちりとてちん」には、脇筋にも充実の物語かある。師匠とその息子の物語、一度は落語を捨てた兄弟子と妻の物語。例えば彼が落語に戻るかに迷いつつ「落語は思い出しとうもないわ」とつぶやくと、妻が言う。「落語を思い出しとうないんやなくて、落語が楽しかったことを思い出しとうないんやないの」。この説得力、この感動。これが週に何度も訪れる。お仕事ドラマやホームドラマの要素も、親子愛も師弟愛も夫婦愛も、そして北川悦史子はりに描かれる恋愛も、モろっている。小道具の使い方も心憎い。例えばヒロインの父が生業とする塗り箸。親子の葛藤を語る道具にも、芸の継承を語る道具にも、ちょっとした素材でも磨けば輝くというヒロインを励ます存在にも、そしてその持ち方で彼女の家のしつけの正しさも語る。すべてを備え、すべてに意味がある。それぞれがそれぞれとこまやかにつながり、伏線となり(何週間もたってから伏線と気づくことずらある)相関図は網の目状に)しかもそれらが落語家を目指す、という本題と重なる。この(全体性)には驚くほかない。ノ
が、最大の驚きはヒロインが同姓同名の美少女同級生に対ずる劣等感を抱いているのそはじめ、すぐに後ろ向きにになることだろう。「おもてなしの心」を唱え、いつも前完きの前作「どんど晴れ」のヒロインとは大違いだ。しかし劣等感やねたみが生きる力になることは少なくない。つまり、実に普遍的なのだ。このこまやかにして・充実の物語が緩急自在に展開される。ときに意衷も突かれる。つまり、目が離せない。「時計代わり」になりえず、視聴率が芳しくない理由の一つだろう。でも、だからこそじっくり見たい「ちりとてちん」。あとは後半も、この好調が続くかどうかだ。
(大西若人)

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「ちりとてちん」讃

▼12月13日の「ちりとてちん」で、ヒロインの貫地谷しほりが自己嫌悪で泣いているときに、シャンソンの名曲「聞かせてよ愛の言葉を」が流れた場面にはマイッタ。 【マスメディアとつきあう12の方法】【2008/01/14 13:53】
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