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私淑した人々(1) 高橋和巳


私淑した人々(1) 高橋 和巳

最初に手にした高橋和巳の文章は、ふとしたきっかけで借りて読んだ「われらの文学」シリーズのなかのある一巻でした。そのなかには柴田翔「されどわれらが日々」、倉橋由美子とともに高橋和己の「悲の器」がありました。それがきっかけで高橋和巳を読むようになりました。自分が最初に購入したのは「捨子物語」でした。ほとんどストーリーが感じられない悲惨で破滅的で全体に混沌とした内容でしたが、最後にこれから育ての親となるような人が現れて、わずかな救いが感じられました。

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まだ、古典的教養人とか知識人などという言葉が生きていた時代で、高橋和巳は吉川幸次郎の門下で中国文学の一流の研究者であり、京都大学の助教授いう肩書きからまさに知識人そのものでした。当時の大学生は大学への進学率も低く、一応は選ばれた人であり、そのなかでも大学の教職にある筆者は自他共に認めるエリートそのものでした。そのエリートが思想、文学に傾倒し、次第に正統な学究の道から外れて自ずから信じた文学の道に入って行ったのでした。「憂鬱なる党派」に登場する、戦後すぐに学生生活を送った人たち、の一部の人は、それこそ当時ある位置を占めていた「党派」の思想とどうつきあうかを問われ続けたのでしょう。この小説ではもはや死語となった「六全協」後の学生達の挫折と分裂したその後の日々を描いています。


高橋和巳は次第に全共闘運動に共鳴していき、新しい可能性を模索しているなか、夭折しました。「邪宗門」など大作があるなかで、最も印象に残ったのは小品「堕落」のなかで、孤児院を開いていた主人公が、堕落を重ねて行き倒れているとき、ちんぴらにからかわれて、安物の傘で「ほんとうに人を殺すのはこうするものよ」とちゃちな自己満足している貴様らになにができるかと言いつつ、人間を空気袋のように突き殺すシーンでした。


高橋和巳
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E5%92%8C%E5%B7%B3

堕落
http://kenbox.jp/monsterbox/bungaku/takakazu.htm

六全協
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A%E7%AC%AC6%E5%9B%9E%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A

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