These foolish things

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パーメント野ばら(4)

パーマネント野ばら(4)


DVDが届いてから何回も見なおしています。私が育った町は農業が中心の田舎の街で漁師町ではなかったし、映画のような濃密な人間関係も得られなかったけれど、映画の雰囲気にはなぜか懐かしさを感じます。きっと、パーマネント野ばらに描かれている世界や、人のつながりに、嫉妬しているのかも知れません。

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新聞の折込で西原理恵子さんがうつ病だったと最近知りました。西原理恵子さんの作品は過去のアジアパー伝シリーズなどを含め、古いものもかなり読んでいます。うつの時期はちょうど毎日かあさんシリースの最初のころに当たるはずですが、当時も、今回読み返しても、表面上、うつの気配は感じられませんでした。考えてみると、鴨志田穣さんが、アル中を渾身の力で克服したように、当時、西原さんも、必死の思いでうつを乗り越えたのでしょう。うつは克服が大変困難な病気で、義務感が人一倍強くても、心と体がいうことをきかない状態だったと思いますが、この映画のように、子供たちの存在が救いになったのかもしれません。映画の原作「パーマネント野ばら」などその後の西原作品は、鴨ちゃんとの別れのあたりから別次元に入ったような凄みを感じます。昔、平岡正明が「山口百恵は菩薩である」という本を書きました(持っています)が、私にとって西原理恵子はそんな存在になりつつあるのでしょう。

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これまでのこの映画に対する記事(1)~(3)が、あまりに支離滅裂だったので以下に全面書き直しました。


初日舞台挨拶付きに行ってきました。

原作では大勢登場する主人公のなおこ(菅野美穂)の女友達は、みっちゃん(小池栄子)と、ともちゃん(池脇千鶴)に集約して再構築され、新しい物語となっていました。

映画の前半ではみっちゃんが、役立たずのダメ亭主(加藤虎ノ介)でも「いないよりまし」と、愛憎相半ばする激情を持つ女を熱演するなど、女友達の男運の悪さに焦点が当たっており、主人公の影は薄いのですが、だんだんなおこの周りの景色が不安定に変化していき、なおこがこの映画の主人公だったことが分かります。

なおこは、友達が二人とも、ダメ亭主でも一応相手がいるのに対し、離婚後は生身の相手がおらず、高校生時代の教師との思い出の中に、時折心が退避するようになっていたのでした。野ばらに訪ねてきたみっちゃんが「なおこはデート中」と言った時、母親の形相が一瞬で変わり、客の女達が一瞬息をのんだことで、なおこの周りの人達が不安定ななおこを、見守っていたことがわかります。みっちゃんは「大丈夫」と言い切り、砂浜の会話でも、なおこをそのまま受け入れ、さらに深い理解で支えています。

なおこの娘であるもも(畠山紬)も、なおこが、別の世界に入ってしまっている時には、こわいものを見るような冷たい視線を送っていますが、最後には母親の状態を察して、けなげに幼い自分一人だけで遠くまで迎えに行きます。最後には、娘の呼びかけで、なおこの顔から狂気が消え母親としての笑顔に戻っていきます。原作にない母と子の代々のつながりを暗示したこのシーンにより、救いが見えるような気がし、後半は、ずっと嗚咽が止まりませんでした。

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ダメな亭主とのみっちゃん自身の離婚記念パーティで、店の男達が次々にやさしい言葉をかけられて泣いてしまうシーンや、みっちゃんの父が呆けて、貧乏でも一家が一つになっていたころに電柱を切って米などに換金し一家を支えたころに戻って、チェーンソーでまた電信柱を切断するシーンも心に残りました。

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原作を西原理恵子の最高傑作と思っていました。映画は漫画とは媒体が異なり、短編集のような原作をストーリー立てて、映画に再構築するのは困難だと思っていましたが、あの猥雑でかつ力強さ、純粋さや神々しさを合わせもった内容をよく一編の映画にまとめたと思います。シニア割引で見たのでは勿体なかったと思え、私にとって原作同様に心に残る傑作となりました。

 

一から十まで 馬鹿でした。馬鹿にゃ未練はないけれど 忘れられない奴ばかり
(圭子の夢は夜ひらく)。この映画を見ているとなぜか、古い唄が思いだされます。馬鹿はもちろん褒め言葉です


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