These foolish things

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上野千鶴子 「学校化社会」


学校化社会 上野千鶴子


20071021190044.jpg最近、一般向けの本が多い著者の教育に関する本です。上野千鶴子さんは1988年にアグネス論争(注)で劣勢だったアグネスさんに応援を買ってでたころから知っていました。
「男社会で働く母が失ってきたもの」という題で、男社会の建前の正論に組み込まれた、最近の用語でいえば勝ち組の二人に孤軍奮闘のアグネスを勝手に応援したことで、弱い者や判官びいきの私は上野千鶴子さんに親近感を持っていました。ジェンダーフリーもフェミニズムもなかった高校生のころ、凛としていると感じている同級の女子生徒たちが、しだいになよなよとして男に媚びるような態度に変わっていくのを見て、「かつて反発したであろう良妻賢母への道をあきらめて受け入れずにもういちど戦ってみること」という雑文を書いたこともありました。(今はそんな簡単な話ではなかったと理解できるのですが。)


20071021190058.jpg(注)アグネス・チャンさんが生まれたての子供を母乳で育てるべく、仕事にでかける時は会場に同行したことに対し、林真理子さんや中野翠さんが、甘えだと批判したことで起こった論争。「アグネス論争を読む(1988)」参照。


そんな上野さんの近書です。勝手に要約すれば



1.学校内外の価値感が社会を支配しているため、複線的な行き方ができない。
2.階級が再生産されている。
3.肥大化した学校の役割を縮小させる。
4.自分で考えてまとめる力をつける必要がある。



等です。分析としては同感できる点もありますが、フリーターも含め、多様な生きかたを勧めているのは、現実を知らない学者、あるいは現実を知っていても同じ視線まで降りていけず、調査・解析に留まっている「学者」の限界かと思いました。サイバラ作品の「高知でも貧しい地域で、女はみんな18歳くらいで結婚して、あちは一生後悔して終わる。旦那はヤンキーあがりで日給の仕事をして1DKくらいのアパートで・・・」の見方のほうがより、暖かな視線を送っています。


本のなかでも「私は優等生でもあったし、はみ出しでもあった。」と書いていますが、「劣等生だった」とは素直に書いていません。それは劣等生ではなかったのでしょう。


(つづく)


haruka2.jpg上野千鶴子さんと言えば、遥洋子「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」がお勧め。
タレントの遥洋子さんが芸能生活の傍ら関西から東大大学院でで学んだ様子を書いた本です。膨大な参考資料を読破して理解し、さらにそれを咀嚼して自分の考えを構築するという、きわめて困難な学者の世界に学生と同じように容赦なくさらしながら、能力に差はない、経験だけだと言い切った上野教授の迫力には圧倒されました。

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