These foolish things

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のだめカンタービレ(コミック完結)

のだめカンタービレ
(コミック完結)

第23巻表紙 

のだめカンタービレは、2008年のTVドラマをずっと見ており、エキストラへの参加もし、本ブログにも数回記事を書きました。原作のコミックもドラマにつられて途中から読み始めましたが、この11月末発売の第23巻で物語は完結しました。全23巻を初めから読み直して見ると、ヨーロッパでの物語は、日本での物語に比べ、さらに音楽はもちろんのこと、抱えている悩み/葛藤/喜びの深さが変化し、レべルアップして別の次元に到達したようなイメージを持ちました。舞台を日本の音楽大学から、クラシックの本場で、生活や歴史にクラシック音楽が根付いていて、著名な演奏家やオーケストラがいるヨーロッパに移して日々精進しているのですから、それも当然かもしれません。

2台のピアノのためのソナタ再び  

ヨーロッパのストーリーで最後に近い第21-22巻が、物語のクライマックスでした。覚醒していない天才のだめがずっと抱いていた、(千秋先輩とのコンチェルト実現)という夢に、ある日、具体的な目標となる演奏曲を見つけた途端、その曲をもう一人ののだめであるRuiに千秋と共演されてしまいます。それも演奏しているRuiが自分に見えるほどに夢のような楽しいコンサートだったため、のだめは自信も希望も全て失い、さらに、逃げ場を求めた千秋先輩にも拒絶され、深く奈落の底に落ちてしまいます。
これをシュトレーゼマンが救い出してロンドン饗とのピアノコンチェルトで、演奏家としてその才能をついに開花させますが、この成功にもかかわらず、のだめは「千秋先輩とでもあれ以上の演奏はできない」と、なお目標を失ったままで深い暗闇のなかをさまよっています。拒絶された千秋ものだめへの思いが否定されたため、俺さまキャラの千秋が初めて、放心状態に陥ったままとなります。ここに来て立場が逆転してしまいます。

千秋は父と邂逅し、話すことで親を認められるようになって、永年の相克がやっと解決し、復活を始めます。(音大のころから見れば、千秋も成長しました。)。のだめは最終巻で千秋と再び思い出の曲を演奏することで、音楽と恋愛を切り離し、今後、それぞれ独立した音楽家としてやっていくための何かをつかんだようです。作者は最終巻をあっさり描いている感じがしますが、まだはっきりとは見えない、広大な二人の未来を暗示しているのでしょう。

新たなスタート

作者の二ノ宮先生は8年間も「のだめ」を書き続けてこられました、クラシック音楽の、いろいろな作曲家、作品、演奏、オーケストラ、さては時代背景なども勉強して、根本を理解し愛情を持って描いていることが、巻末の膨大な資料リストなどからも感じられました。音楽家自身はさておき、偏屈な意見を持ったり、薀蓄を傾けるファン、評論家なども多いと思われるクラシック音楽の世界で、そこに生きる人々の喜怒哀楽を見事に表現して有無を言わせぬ立派な作品でした。のだめや千秋はもちろん、ターニャ、Rui、他の登場人物にも何回も泣かされました。本国ではトップでも本場のコンクールでは、予選落ちして一人ずつ去っていく厳しい世界に生きる人たちの生身の世界を垣間見せてくれました。

私はクラシックは苦手で曲名を聞いても知らないほうが多いため、深く理解できない場面もありましたが、ベトベンのピアノソナタ31番など何曲かは、啓発されて聴いてみたくなりました。

過去記事へのリンク
のだめカンタービレ(1)
のだめカンタービレ(2)
のだめカンタービレ(3)
のだめカンタービレ(4)
のだめ in ヨーロッパ

 


悪魔のミルヒー 

コミック全巻揃いはこれで、天然コケッコー、めぞん一刻、のだめカンタービレの3つになりました。

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