These foolish things

音楽を中心に新しいもの、古いものをなどMy Favaritesを。時には映画やWho's Whoなども

映画「毎日かあさん」

映画「毎日かあさん」

001_20110213154317.jpg

またまた、西原映画を見てきました。「毎日かあさん」は新聞連載の初めから、単行本や、アニメなど全て見ています。この映画では新聞には掲載できないだろう暗い面も含めて描いていました。(名前もアニメの鴨原ではなく実名でした。)会場には子供連れの姿もありましたが、この映画は子供向けではなく、大人、特に子育て中か子供を育てた経験のある人達にとって、共感できる映画だと思います。

映画で初めは西原家での日常のそのままを映し出したような、友達を含めたおばかな子供達の生態を描いています。男の子たちがカキフライののよう泥まみれになって戯れて遊んでいても、蝶々で汁を作っても、「おしっこもらすくらい楽しいなんて子供の時間ってすごいなあ」と、危険に対して注意はしても、行い自体を否定せず、遠くから見守っています。子供達も学校が終わっても暗くなるまで、友達と外で遊ぶことができる、一昔前には普通だったが、今時にはめずらしい子達でした。フミ役の小西舞優ちゃんも舌足らずで可愛かったのです、ブンジ役の矢部光祐君は天真爛漫なバカ男子で登場するだけで、マンガそのもので、あまりの天晴れさに涙がでました。

003_20110213154316.jpg

後半では映画は、お父さん=鴨志田譲(永瀬正敏)のアルコール中毒とガンとの闘病と家族とのかかわりが中心です。アジアの戦場で、目の前で死んでいった子供達に対して何もできなかったトラウマと、現在の普通の家庭の平穏な日常とのギャップに、酒に逃避するしか精神の平衡を保つ術のなかった不器用で優しすぎるお父さんが、家庭をめちゃくちゃにします。西原はそんなお父さんから子供を守ると同時に、お父さんに対しても離婚という手段で、一旦つきはなして立ち直るきっかけとします。

小泉今日子さん演じる西原理恵子は、子供達も大きな子供だったお父さんも、家族みんなを大きな包容力で受け止めて肯定します。「だれかに、そばにいてほしかった」子供時代から、多くの年月と経験を経て、「大丈夫、全部もっている」と言いきれるまで強くなりました。小泉今日子さん、アップでは皺も目立つ年相応の顔を見せるおばさん年代になりましたが、ジャージ姿も似合う肝っ玉の据わった、西原理恵子になり切った迫力の演技でした。西原家は見かけは普通とちょっと違う父と母がいる家庭ですが、実は普通のどこでもある家族で、お互いを思いやって過ごす日常をそのままに描いた名作でした。用心してティシュを持っていきましたが、最初から泣きどおしでした。

002_20110213154317.jpg

最近、マンガ、映画など西原作品を立て続けに見ました。私が読んだ西原マンガのうち、気に入った主だった作品はほぼ映画化されてしまったように思え、西原家は、よく知った知人の家庭のように感じ、殊更鑑賞しなくても、私のなかに遍在してしまった感じがします。

過去の記事 毎日かあさん(1)毎日かあさん(2)





004_20110213154316.jpg

昔読んだ小泉今日子さんの本「パンダのanan」が書棚に残っていました。長瀬さんと結婚していたころの本ですが、このころから既に肩から力が抜けていたように感じます。



テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

パーメント野ばら(4)

パーマネント野ばら(4)


DVDが届いてから何回も見なおしています。私が育った町は農業が中心の田舎の街で漁師町ではなかったし、映画のような濃密な人間関係も得られなかったけれど、映画の雰囲気にはなぜか懐かしさを感じます。きっと、パーマネント野ばらに描かれている世界や、人のつながりに、嫉妬しているのかも知れません。

001_20110206120735.jpg

新聞の折込で西原理恵子さんがうつ病だったと最近知りました。西原理恵子さんの作品は過去のアジアパー伝シリーズなどを含め、古いものもかなり読んでいます。うつの時期はちょうど毎日かあさんシリースの最初のころに当たるはずですが、当時も、今回読み返しても、表面上、うつの気配は感じられませんでした。考えてみると、鴨志田穣さんが、アル中を渾身の力で克服したように、当時、西原さんも、必死の思いでうつを乗り越えたのでしょう。うつは克服が大変困難な病気で、義務感が人一倍強くても、心と体がいうことをきかない状態だったと思いますが、この映画のように、子供たちの存在が救いになったのかもしれません。映画の原作「パーマネント野ばら」などその後の西原作品は、鴨ちゃんとの別れのあたりから別次元に入ったような凄みを感じます。昔、平岡正明が「山口百恵は菩薩である」という本を書きました(持っています)が、私にとって西原理恵子はそんな存在になりつつあるのでしょう。

003_20110206120836.jpg  005_20110206120835.jpg

これまでのこの映画に対する記事(1)~(3)が、あまりに支離滅裂だったので以下に全面書き直しました。


初日舞台挨拶付きに行ってきました。

原作では大勢登場する主人公のなおこ(菅野美穂)の女友達は、みっちゃん(小池栄子)と、ともちゃん(池脇千鶴)に集約して再構築され、新しい物語となっていました。

映画の前半ではみっちゃんが、役立たずのダメ亭主(加藤虎ノ介)でも「いないよりまし」と、愛憎相半ばする激情を持つ女を熱演するなど、女友達の男運の悪さに焦点が当たっており、主人公の影は薄いのですが、だんだんなおこの周りの景色が不安定に変化していき、なおこがこの映画の主人公だったことが分かります。

なおこは、友達が二人とも、ダメ亭主でも一応相手がいるのに対し、離婚後は生身の相手がおらず、高校生時代の教師との思い出の中に、時折心が退避するようになっていたのでした。野ばらに訪ねてきたみっちゃんが「なおこはデート中」と言った時、母親の形相が一瞬で変わり、客の女達が一瞬息をのんだことで、なおこの周りの人達が不安定ななおこを、見守っていたことがわかります。みっちゃんは「大丈夫」と言い切り、砂浜の会話でも、なおこをそのまま受け入れ、さらに深い理解で支えています。

なおこの娘であるもも(畠山紬)も、なおこが、別の世界に入ってしまっている時には、こわいものを見るような冷たい視線を送っていますが、最後には母親の状態を察して、けなげに幼い自分一人だけで遠くまで迎えに行きます。最後には、娘の呼びかけで、なおこの顔から狂気が消え母親としての笑顔に戻っていきます。原作にない母と子の代々のつながりを暗示したこのシーンにより、救いが見えるような気がし、後半は、ずっと嗚咽が止まりませんでした。

002_20110206120837.jpg

ダメな亭主とのみっちゃん自身の離婚記念パーティで、店の男達が次々にやさしい言葉をかけられて泣いてしまうシーンや、みっちゃんの父が呆けて、貧乏でも一家が一つになっていたころに電柱を切って米などに換金し一家を支えたころに戻って、チェーンソーでまた電信柱を切断するシーンも心に残りました。

004_20110206120836.jpg


原作を西原理恵子の最高傑作と思っていました。映画は漫画とは媒体が異なり、短編集のような原作をストーリー立てて、映画に再構築するのは困難だと思っていましたが、あの猥雑でかつ力強さ、純粋さや神々しさを合わせもった内容をよく一編の映画にまとめたと思います。シニア割引で見たのでは勿体なかったと思え、私にとって原作同様に心に残る傑作となりました。

 

一から十まで 馬鹿でした。馬鹿にゃ未練はないけれど 忘れられない奴ばかり
(圭子の夢は夜ひらく)。この映画を見ているとなぜか、古い唄が思いだされます。馬鹿はもちろん褒め言葉です



テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画


カレンダー

最近の記事
FC2カウンター

最近のコメント
カテゴリー
ツイッター

月別アーカイブ

リンク
プロフィール

Groove

Author:Groove
音楽(クラシックと演歌以外)と、映画、PCの日々。古い話を含め、お気に入りを書いていきます。

ブログ内検索

RSSフィード